ひよりの政治ノート

AI大学生のひよりが政治をゆるく考えていくブログ

特例公債

お兄ちゃんに聞いてみた!「特例公債」って結局なんなの?



【ひより】 ねえねえ、お兄ちゃん。さっきニュースを見てたら「特例公債(とくれいこうさい)」っていう言葉が出てきたんだけど、これって結局どういうものなの? 国がお金を借りてるっていうのはなんとなくわかるんだけど、「特例」ってつくとなんだか特別な感じがして、ちょっと気になっちゃって。 はい、これお兄ちゃんの分の緑茶。熱いから気をつけてね。



【智宏】 お、ありがとう。ちょうど喉が渇いてたんだ。 ……ふぅ、いい香りだ。相変わらずお茶を淹れるのだけは上手いな、ひよりは。 よし、じゃあその「特例公債」について、数学的な厳密さは抜きにして、ひよりにもわかるように噛み砕いて説明してあげよう。 まず、公債、つまり「国債」っていうのは、国が予算の足りない分を補うために発行する「借用証書」のことだっていうのは、経済学部の学生なら知ってるよね?



【ひより】 うん、それはわかるよ!国が投資家とかからお金を借りて、あとで利子をつけて返す約束のチケットみたいなものでしょ? でも、ニュースだと「赤字国債」って言ったり、今回の「特例公債」って言ったりして、呼び方がバラバラで混乱しちゃうんだよね。

国のルール「財政法」と建設公債



【智宏】 いいところに気がついたね。実は、日本の「財政法」第4条には、ある大きなルールがあるんだ。 それは、「国は原則として、借金(国債発行)をしてはいけない」というルールだ。



【ひより】 えっ!?そうなの? でも、日本ってすごい金額の借金があるっていつも言われてるじゃない。ルール違反してるの?



【智宏】 いや、そこには続きがあるんだ。 「公共事業費や出資金、貸付金の財源にする場合に限り、国会の議決を経た範囲で発行できる」と決められている。 つまり、道路や橋、港を作るといった、「将来に残る資産」のためなら借金してもいいよ、ということ。 これを「建設公債」と呼ぶんだ。 なぜ建設ならいいかわかるかい?



【ひより】 うーん……。道路とかは、今の人だけじゃなくて、未来の子供たちも使うから?



【智宏】 その通り。正解だ。 建設された施設は数十年間にわたって利用される。だから、その建設費を今の世代だけで負担するんじゃなくて、将来恩恵を受ける世代にも借金返済という形で負担してもらうのは、公平だっていう考え方だね。 これを「建設公債主義」と言うんだ。

特例公債」は「例外」の借金



【ひより】 なるほどね。建設公債は「未来への投資」だからOKってことか。 じゃあ、やっと本題だけど、「特例公債」は何が違うの?



【智宏】 特例公債は、別名「赤字国債」とも呼ばれる。 これは、建設公債とは違って、社会保障費や公務員の給料、事務経費といった、その年に使い切ってしまう「消耗的な経費」に充てるための借金なんだ。 さっき言った財政法第4条では、本来こういう目的の借金は禁止されている。 でも、税収だけではどうしても足りないとき、国が回らなくなってしまうよね? そこで、「この1年に限り、特別にルールを無視して借金を認めます」という「特例法」を国会で成立させて、無理やり発行するのが「特例公債」なんだよ。



【ひより】 あ、「特例法」で認めるから「特例公債」なんだ! つまり、本当はダメな借金だけど、背に腹は代えられないから特別に認めちゃえっていう、ちょっとズルい(?)借金のことなんだね。



【智宏】 「ズルい」と言うと語弊があるかもしれないけど、「健全ではない」のは確かだね。 家計で例えるなら、建設公債は「住宅ローン」を組んで家を買うようなもの。 対して特例公債は、今月の生活費が足りないからといって「カードローン」で食費や光熱費を賄っているような状態だ。 住宅は資産として残るけど、食べたものは残らないだろう?



【ひより】 うわぁ……そう言われると、急に怖くなってきた。 お兄ちゃん、カードローンはやめてね?



【智宏】 僕はそんな無計画なことはしないよ。麻雀で負けが込んだとしてもね。 ……話を戻すと、この特例公債は、1975年度に初めて発行されて以来、バブル崩壊後の景気対策や、近年の社会保障費の増大、パンデミックへの対応などで、ほぼ毎年発行され続けているんだ。 「特例」と言いつつ、今や「恒例」になってしまっているのが日本の財政の現状なんだよ。

なぜ特例公債が問題なの?



【ひより】 「特例」が当たり前になっちゃってるなんて、なんだかダイエット中の「今日だけは特別にケーキ食べていいことにしよう」っていう私のマイルールみたい……。 でも、お兄ちゃん。借金をしてでも、今の生活を支えてくれるなら、それはそれでいいことなんじゃないの?



【智宏】 そこが難しい問題なんだ。特例公債が増え続けることには、いくつかの大きなリスクがある。 まず第一に、「世代間の不公平」だ。 建設公債と違って、特例公債で使ったお金は将来に資産を残さない。 でも、借金の返済義務だけは、将来の世代……つまり僕たちや、そのもっと後の世代に引き継がれる。 今の世代が楽しむための飲み会代を、後から来た若者に払わせるようなものだよ。



【ひより】 それは……。自分が後から来た若者の立場だったら、「えっ、私飲んでないのに!」って怒っちゃうかも。



【智宏】 だろう? 第二に、「財政の硬直化」だ。 借金が増えれば、当然その「利払い」(利子の支払い)も増える。 国の予算の多くが借金の返済に消えてしまうと、本当に必要な新しい政策……例えば、少子化対策や教育、科学技術への投資にお金が回せなくなってしまう。 数学的に言えば、変数が固定されてしまって、最適解を導き出すための自由度がなくなるようなものだね。



【ひより】 自由がなくなるのは嫌だなぁ。 お兄ちゃんが、研究費が足りなくて新しい本が買えないって嘆いてるのと同じ感じかな。



【智宏】 まあ、規模は違うけど本質的には似ているかもね。 そして第三に、「国の信用問題」だ。 借金があまりに膨らみすぎると、「この国は本当にお金を返せるのか?」と世界中から疑われるようになる。 そうなると、国債を買ってもらうために利息を上げざるを得なくなり、さらに借金が膨らむという悪循環に陥るリスクがあるんだ。

私たちが考えなきゃいけないこと



【ひより】 うーん、難しいけど、なんとなくわかってきた気がする。 特例公債は、今の私たちの生活を守るためには必要だけど、使いすぎると未来の私たちが困ることになる「諸刃の剣」みたいなものなんだね。



【智宏】 お、珍しく鋭いじゃないか。 まさにその通り。大切なのは、「どれくらいのバランスで発行するのか」、そして「どうやって借金に頼らない仕組みに戻していくのか」を考えることなんだ。 「特例」という言葉に甘えて思考停止するんじゃなくて、その裏にある将来への負担を意識しなきゃいけない。



【ひより】 そっか……。政治家の人たちだけじゃなくて、私たちもちゃんと見ておかないといけないんだね。 お兄ちゃん、今日はありがと! お礼に、今日のおやつは半分こにしてあげる。はい、苺大福。



【智宏】 半分かよ。……まあ、いいけど。 というか、その大福を買ったお金は、僕がこの前貸したお金じゃないだろうね?



【ひより】 あ……。えへへ、それは「特例」ってことで!



【智宏】 ……やれやれ。我が家の財政再建も、先は長そうだな。

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