参政権
政治に参加する権利!「参政権」って結局なんなの?お兄ちゃんに聞いてみた

【ひより】
ねえねえ、お兄ちゃん。ちょっといい?
今度、近所で選挙があるみたいでハガキが届いてたんだけど……。
学校の授業でも「参政権」って言葉はよく聞くけど、具体的にどういう権利なのか、改めて聞かれるとちょっと自信ないかも。
「投票に行く権利」っていうのはわかるんだけど、それだけじゃないよね?

【智宏】
お、ひよりが政治に興味を持つのはいいことだね。ちょうど僕も一息つこうと思ってたところだ。
……あ、その前に。お茶のおかわり、淹れてきてくれない?
ひよりの淹れるお茶は、温度がちょうどよくて飲みやすいんだよね。

【ひより】
もう、すぐそうやって人を使うんだから……。
はいはい、わかったよ。とびきり美味しい緑茶を淹れてあげるから、その代わり「参政権」について、めちゃくちゃわかりやすく教えてよね!

【智宏】
交渉成立だね。
じゃあ、お茶を待っている間に「参政権」の全体像について説明しよう。
結論から言うと、参政権っていうのは「国民が政治に参加するための権利」の総称なんだ。
大きく分けると、ひよりが言った「投票する権利」と、「自分が立候補する権利」、そして「直接意思表示をする権利」の3つの柱があると考えればわかりやすいよ。
「選ぶ」だけじゃない?参政権のいろいろな形

【ひより】
はい、お待たせ!お茶持ってきたよ。
……「投票」以外にもいろいろあるんだね。
具体的には、それぞれなんて呼ぶの?

【智宏】
ありがとう。……うん、やっぱり美味しい。
まず、一番有名なのが「選挙権」だ。これは18歳以上の日本国民なら誰でも持っている、議員や知事などを「選ぶ権利」のことだね。
そしてもう一つ、ひよりが見落としがちなのが「被選挙権」だよ。
これは、自分が選挙に「立候補する権利」のこと。
つまり、政治家になる権利も、参政権の一部なんだ。

【ひより】
ええっ、私が政治家に!?
……いや、それはちょっと責任重大すぎて、私には無理かなぁ。
のんびりアニメ見てたいし。

【智宏】
ははは、別に今すぐなれって言ってるわけじゃないよ。
でも、「誰でも政治の場に立てる可能性がある」ということが、民主主義においてはすごく重要なんだ。
年齢制限はあるけどね。衆議院議員や市区町村長なら25歳、参議院議員や知事なら30歳からだ。

【ひより】
なるほど。選ぶ側と、選ばれる側。両方の権利があるってことだね。
他にはどんなのがあるの?

【智宏】
あとは、直接的に意思を示す権利がある。
例えば、「最高裁判所裁判官の国民審査」。これは衆議院選挙の時に一緒に行われるやつだね。
他にも、憲法を変える時の「国民投票」や、特定の自治体だけに適用される法律を決めるための「住民投票」なんかも参政権に含まれる。
あとは、国に対して「こうしてほしい」とお願いする「請願権(せいがんけん)」も、広い意味では参政権の仲間だと言えるね。
昔は「当たり前」じゃなかった?参政権の歴史

【ひより】
へぇー、結構たくさんあるんだね。
でも、日本に住んでいれば当たり前にもらえる権利、って感じでしょ?
そんなに難しく考えなくてもいい気がしちゃうな。

【智宏】
そこが落とし穴なんだよ、ひより。
今の僕たちにとっては「当たり前」だけど、この権利を勝ち取るまでには長い歴史があるんだ。
昔の日本……明治時代とかは、「たくさん税金を納めている25歳以上の男性」しか選挙権がなかったんだよ。
全人口のたった1%ちょっとしかいなかったんだ。

【ひより】
ええっ!たったの1%!?
じゃあ、私みたいな大学生や、お母さんみたいなパートの人、それに普通に働いているお父さんだって、昔だったら投票できなかったかもしれないってこと?

【智宏】
その通り。女性に参政権が認められたのも、戦後の1945年のことだからね。
多くの人が「自分たちの意見を政治に反映させたい!」と願って、運動を起こして、ようやく手に入れた「宝物」のような権利なんだよ。
数学的に考えても、分母が限られた特権階級だけの政治は、どうしてもその層に有利な方向に偏ってしまう。
今の「普通選挙」(性別や納税額に関係なく、一定の年齢に達すれば得られる選挙)は、社会の多様な意見を反映させるための、人類の知恵なんだ。

【ひより】
そう聞くと、ハガキ一枚の見え方が変わってくるね……。
昔の人が頑張ってくれたおかげで、今の私たちが自由に意見を言えるんだ。
セロリを給食から廃止してほしい!とかも、立派な意見になるのかな?

【智宏】
それはただの個人的な好き嫌いだけどね……(笑)。
でも、「食費の物価高を抑えてほしい」とか「若い世代の負担を減らしてほしい」という願いを、一票に込めるのは自由だよ。
なぜ「一票」が大切なの?

【ひより】
でもさ、お兄ちゃん。
私が一票入れたところで、何百万、何千万っていう票の中に埋もれちゃうじゃない?
正直、「私一人が行っても行かなくても、結果は変わらないんじゃないかな」って思っちゃうこともあるんだけど……。

【智宏】
理系的な視点から言わせてもらうと、その考え方は少し危険だね。
確かに、一票で直接結果がひっくり返る確率は低いかもしれない。
でも、政治家は「どの層が投票に行っているか」を驚くほどよく見ているんだ。

【ひより】
えっ、そうなの?

【智宏】
そうだよ。例えば、高齢者の投票率が80%で、若者の投票率が30%だったとする。
政治家も当選したいから、どうしても「よく投票に行ってくれる人たち」に向けた政策を優先しがちになる。
これを「シルバー民主主義」なんて呼んだりもするけれど、若者が投票に行かないことで、結果的に「若者向けの政策(教育支援や経済対策など)」が後回しにされてしまう可能性があるんだ。

【ひより】
うわっ……。それって、私たちが損しちゃうってこと?
スイーツの値段が上がったり、将来の年金が不安になったりするのも、私たちが声を上げないせいかもしれないの?

【智宏】
一概には言えないけど、影響はゼロじゃない。
「この世代は投票に来ないから、無視しても大丈夫だ」と思われないようにすることが大切なんだ。
たとえ応援したい候補者がいなくても、「私たちは政治を見てますよ」という意思表示のために投票所へ行く。
その積み重ねが、長期的に見て僕たちの生活を守ることにつながるんだよ。

【ひより】
……そっか。私の大好きなラーメンの値段を守るためにも、ちゃんと参加しなきゃいけないんだね。
参政権って、「政治家にお任せする権利」じゃなくて、「自分たちの未来を自分たちで決める権利」なんだね。

【智宏】
その通り。さすが、僕の妹だね。飲み込みが早い。
……さて、解説はこれくらいでいいかな。
お茶のお礼にしては、ちょっと理屈っぽくなりすぎたかもしれないけど。

【ひより】
ううん、すごくよくわかったよ!ありがとう、お兄ちゃん。
よし、今度の選挙は、お散歩がてら投票所に行ってみようかな。
帰りに美味しいスイーツでも買ってくれば、完璧な休日になりそう!

【智宏】
結局、食べ物のことか……。
まあ、きっかけは何でもいいよ。
僕も一緒に行ってあげるから、その後のスイーツ、僕の分もよろしくね。

【ひより】
えーっ、それはお兄ちゃんのおごりでしょ!
解説料としては、さっきのお茶で十分なはずだよ?

【智宏】
……やれやれ。やっぱり、ひよりには敵わないな。
