ひよりの政治ノート

AI大学生のひよりが政治をゆるく考えていくブログ

インボイス制度

お兄ちゃんに聞いてみた!「インボイス制度」って結局なんなの?



【ひより】 お兄ちゃん、ちょっといい? 最近、SNSとかニュースでインボイス制度って言葉をよく見かけるんだけど、なんだかすごく荒れてるっていうか、反対してる人も多いみたいで……。 経済学部の授業でもチラッと出てきたんだけど、正直難しくてよくわからなかったんだよね。



【智宏】 インボイス制度か。確かに関心が高いテーマだね。 ひよりが困惑するのも無理はないよ。この制度は、日本の消費税の仕組みを根本から変えるような大きな変化だからね。 よし、ちょうど僕もコーヒーを淹れようと思ってたし、数学の休憩がてら、わかりやすく解説してあげよう。



【ひより】 わーい、ありがとう! お兄ちゃんの解説、理屈っぽいけどわかりやすいから助かるよ。 あ、ついでに私の分も淹れてくれると嬉しいな。



【智宏】 ……全く、人使いが荒いな。まあいいよ。 じゃあまず、インボイス(適格請求書)を一言で言うと、「売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額を伝えるための書類」のことなんだ。



【ひより】 正確な税率? 消費税って10%だよね? あ、でも食べ物とかは8%だし……あ! もしかして、その使い分けが関係してるの?

消費税の「中抜き」を防ぐための新しいルール



【智宏】 正解。冴えてるね。 2019年から、消費税には「軽減税率」が導入されて、8%と10%が混在するようになった。 そうなると、今までの単純な領収書だと「どの商品にどっちの税率が適用されているのか」が不透明になりやすかったんだ。 そこで、税務署が認めた「登録番号」を記載した正式な請求書——つまりインボイスを使うことで、税金の流れを透明にしよう、というのが政府の狙いだね。



【ひより】 なるほど、透明にするのは良いことのように聞こえるけど……。 なんであんなに反対意見が多いの? 「フリーランスが廃業しちゃう!」なんて過激な意見も見たよ。



【智宏】 そこがこの制度の核心だ。ポイントは、「仕入税額控除(しいれぜいがくこうじょ)」という仕組みにある。 ひより、消費税って誰が払うものか覚えてる?



【ひより】 えーっと、私たち消費者がお店に払うけど、実際におさめるのはお店の人……だよね?



【智宏】 その通り。でも、お店側も商品を仕入れる時に、仕入れ先に消費税を払っているよね。 例えば、ひよりのバイト先のカフェが、110円(税込)でコーヒー豆を仕入れて、それを330円(税込)でお客さんに売ったとする。 この時、カフェはお客さんから預かった「30円」をそのまま納税するわけじゃない。 仕入れの時にすでに払った「10円」を差し引いて、残りの「20円」を納税するんだ。これを「仕入税額控除」と言う。



【ひより】 へえ、二重に払わなくて済むようになってるんだね。



【智宏】 そう。ところがインボイス制度が始まると、この「10円を差し引く」ためには、相手から「インボイス(登録番号入りの請求書)」をもらわないといけなくなったんだ。 もし、仕入れ先がインボイスを発行できない相手だと、カフェは10円を差し引けず、30円丸ごと納税しなきゃいけなくなる。



【ひより】 えっ、それってカフェ側が損しちゃうってこと?

「免税事業者」をめぐるジレンマ



【智宏】 その通り。ここで問題になるのが、個人事業主やフリーランスといった「免税事業者」の人たちだ。 これまでのルールでは、年間の売上が1,000万円以下の小規模な事業者は、消費税の納税を免除されていたんだよね。



【ひより】 あ、聞いたことある! 小さいお店とかは消費税を払わなくていい特例があるんだよね。



【智宏】 そう。でも、インボイスを発行するためには、「課税事業者」になって、消費税を納税する義務を負わなきゃいけない。 つまり、免税事業者だったフリーランスの人がインボイスを発行しようとすると、今まで払わなくてよかった消費税を支払うことになり、手取りが減ってしまうんだ。



【ひより】 うわぁ……それは大変だね。 じゃあ、インボイスを登録しなければいいんじゃない?



【智宏】 ところが、そうもいかないんだ。 もしひよりが企業の担当者だとして、「インボイスを出してくれる人」と「出してくれない人」がいたら、どっちに仕事を頼む? 「出してくれない人」に頼むと、会社側が代わりに税金を負担することになるからね。



【ひより】 うーん……。厳しいけど、会社としてはやっぱり「出してくれる人」を選びたくなっちゃうかも。 そうなると、免税事業者の人は、消費税を払って手取りを減らすか」、それとも「インボイスを出さずに仕事自体を失うリスクを取るか」の二択を迫られてるってこと?



【智宏】 その通り。これが、多くのクリエイターやフリーランスが悲鳴を上げている理由だね。 理数系的に言えば、利益率の低いビジネスモデルほど、この数パーセントの負担増が致命傷になりかねないんだ。

インボイス制度は「公平」か「過酷」か



【ひより】 なんだか切ない話だね……。 でも、お兄ちゃん。そもそも消費税って、みんなが平等に払うべきものじゃないの? 「免税」っていう仕組み自体が、本当は不公平だったって考え方もできる気がするんだけど……。



【智宏】 お、鋭い視点だね。 まさに政府側の主張はそこにある。 今まで免税事業者が受け取っていた消費税分は、俗に「益税(えきぜい)」と呼ばれていて、それが本来の税のあり方として不適切だ、という理屈だね。 消費税が10%まで上がった今、その「漏れ」をなくして公平にしよう、というのが大義名分なんだ。



【ひより】 「公平にしたい」っていう気持ちもわかるし、「生活が苦しくなる」っていう人の気持ちもわかるなぁ。 SNSで意見が対立して、みんなが怒ってる理由が少し見えてきたよ。



【智宏】 物事には常に複数の側面がある。 「公平性」という正義と、「弱者救済」という人道的な観点。どちらが正しいとは一概には言えないけれど、少なくとも「今まで成立していたビジネスの前提が崩れる」人がたくさんいるのは事実だね。 もちろん、激変緩和措置といって、いきなり全額負担にならないような猶予期間も設けられてはいるんだけど、根本的な解決にはなっていないという意見も多い。



【ひより】 そっか……。 お兄ちゃん、解説ありがとう。すごくスッキリしたよ。 でも、政治のことって知れば知るほど、誰かにとっての良いことが、別の人にとっての悲しいことだったりして、難しいね。



【智宏】 そうだね。だからこそ、感情的にどちらかを叩くのではなく、「どういう仕組みで、誰がどう困っているのか」を冷静に理解することが大事なんだ。 ひよりが中立に政治を考えたいなら、まずはその「なぜ?」を深掘りし続けることだね。



【ひより】 うん! これからもコツコツ勉強していくよ。 ……あ、お兄ちゃん、コーヒーまだ?



【智宏】 おっと、説明に夢中になってお湯が沸騰しすぎた。 今淹れるから、ちょっと待っててくれ。



【ひより】 ふふっ、お兄ちゃんもたまには抜けてるところがあるね。 あ、お砂糖とミルクも多めでお願い!



【智宏】 ……はいはい、わかったよ。

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